レ・ミゼラブル博多座千秋楽へ
きっかけはほんとに些細な事だった。
そう、それだけ。
ブラッドブラザースでリンダの昆ちゃんに心奪われてしまった私は、そのポスターを見た途端「行かねば…!」と謎の使命感に燃えたのだ。
先生からは、
「あら、よかったねぇ。楽しんでおいで~………あ、8月1日補講だわ♡」
と送り出されたのか引き止められたのか判断に迷う返しをされたが(そもそも補講がある事を把握していなかった自分が悪い)、それでも「いってらっしゃい♡」と言ってくれた先生には感謝しかない。
今回観劇する際も、ネットでちょちょっとあらすじを読んだくらいである。
それでも、一度レ・ミゼラブルの世界に入ってしまえばそんなことは関係がなかった。
前半の終わり頃までお目当てのエポニーヌが出てくる事はなかったが、生の演奏とキャスト達の歌声の迫力にただただ圧倒されるばかりであった。
そして、エポニーヌ。
エポニーヌ…(´;ω;`)ウッ
幼少期の裕福な暮らしから一変、貧乏な生活を強いられていたが、それでも恋をしてそれなりに暮らしていたのに。
好きな人が恋をした相手はかつて自分の家で両親にこき使われていた少女コゼットだった。
コゼットもまたエポニーヌの想い人マリウスに惹かれ、2人は愛し合うことになる。
エポニーヌの気持ちなんかこれっぽっちも届かずに。
………エポニーヌ(´;ω;`)ウッ (しつこい)
マリウスは超鈍感野郎なのかエポニーヌの気持ちに全く気付かず、あろうことかコゼットの居場所を探して欲しいとエポニーヌに頼んだり、革命の日、コゼットに宛てた手紙をエポニーヌに託して渡しに行って欲しいと頼んだりしている。
エポニーヌはそれでも好きな人のために動くわけだが、昆ちゃんのちょっとした仕草や表情が切なくていたいけで泣けてくるのだ。
マリウスが何気なく触れた頬にそっと手を添えて、嬉しいやら切ないやら複雑な表情を浮かべる昆ちゃんエポニーヌがいい子過ぎて、私の中のお節介オバサンが「アンタにはもっといい子がいるよ!そんな奴はやめて他にしな!」って叫んでた。(ヤメテ)
あと、今回のレミゼのキャストさんで凄いなぁと感心したのはガブローシュ君。
3人いる子役の中の1人なのだが、この子がとても上手い。
私は演劇や演技に詳しいわけでないただのド素人だが、小さい体で大人顔負けの声量と動きで魅せるガブローシュ君に感動すると同時にすごいキュンキュンしてた。かわいい。
いきなり話は飛んでカテコの話題になるのだが、博多座千秋楽とあってお客さんが粘る粘る(笑)
ジャニーズに慣れてるため、ライブでいうアンコールみたいなのはどう要求するのかとみていたが、ひたすら拍手よりももっと規則的な手拍子を叩き続けていた。
それに何度も応えてくださるキャストの皆さんのホッとした顔や温かい表情、笑顔を見てまた号泣。
何より、対立していた役達、意地悪をしていた役達、虐げられてきた役達皆がアイコンタクトを取ったりハグしたり手を繋いだりと雰囲気が良くて、本編での悲しみや苦しみなどが昇華されたように感じた。
昆ちゃんもちっちゃい(最高にcute)体をピョンピョンさせて手を振ったり、深々とお辞儀をしたり、手を合わせていたりと本当に可愛かった。
子役の3人(幼少期のコゼット・エポニーヌ、ガブローシュ)も、大人達に手を繋がれてお辞儀したり走って抱きつきに行ったり、抱えられたりと母性本能をくすぐるような事しかしていなかったのでどうしてやろうかと思った()
照史君が以前ぶ誌でレ・ミゼラブルの観劇について触れた時、演じてみたい役としてテナルディエを挙げていたため、今回はテナルディエにも注目して見ていたが、一言で言うとまぁゲス(笑)
最後の最後までゲスさ全開で、前半は嫌悪感しか感じなかったが、後半はなんというか憎めなさも出てきてカテコの時には好きになっていた。単純である。
これを照史君が演じるにはまだ若い気もするが、照史君の演技力なら立派なテナルディエになれると思う。
コンスタントに出てくる役だし、ゲスいけどその時代に沿った役どころだと思うから照史君も注目したのではないだろうか。
最後に、ジャニーズの出ていない舞台を見るのは実に6年振りだったが、その舞台がレ・ミゼラブルで本当によかった。
鳥肌が立ち、涙が自然と溢れる素敵な作品に巡り会えて、心も浄化された最高の3時間だった。
もう今は熊本へ帰るバスの中である。
レ・ミゼラブルの世界へと思いを馳せながら、しばし眠りにつこう。
…ヤダ、ちょっとクサいやん